思鉄四国の旅 松山編

 

 

日もとっぷりと暮れたころ、松山に到着、さっそく市内電車に
乗って、予約しておいたホテルに向かいます。
とりあえずホテルに荷物を置くと、都会育ちの思鉄面々、ネオ
ンの灯りに吸い寄せられるように、フラフラと繁華街へ・・・
まずはビールで喉を潤します。収穫多い1日を過ごしたあとの
ビールはたまりません。普段あまり飲まない私もジョッキ2杯
があっという間にカラ。
やがてお腹も一杯になると、それぞれの思いを胸に、夜の町
へと散って行きました。

 

 

 

一夜が明け、松山の朝はドピーカン。今日もうだるような暑さ
です。晴天は有りがたいのですが、この暑さはどーにも・・・
コンビニで500mlペットボトルを仕入れて、いざ出陣!

さて、今日のターゲットは伊予鉄。
最初の目的地は大手町です。ここは、伊予鉄の郊外電車
(高浜線)と市内電車が平面でクロスしているところ。
鉄道の線路同士が平面クロスしているなんて、もう伊予鉄だ
けではないでしょうか。
しかも郊外電車には、あの元京王の2000系や5000系が
健在。思鉄メンバーには思い入れのある車両達です。

 

 

通勤時間帯ともかさなったせいでしょうか、次々とあらわれる
京王5000系、そして2000系同士のすれ違いナドナド。

この朝、大手町を通った人々は、電車が来るたびに走りまわ
る、不審な中年3人組を目撃したことでしょう。

 

 

 

 

 

大手町での撮影を一通り終え、郊外電車に乗って、松山市
駅に向かいます。次の目的は、坊ちゃん列車の乗車です。

坊ちゃん列車は、松山市−道後温泉と、古町(JR松山駅経
由)−道後温泉の2系統運行されていますが、本数は松山
市発の方が断然多いのです。

今日の市内移動を考えて、市内電車の1Dayチケットを購入
しました。
このチケット、市内電車とループバスに1日乗り放題で、なん
と300円の超リーズナブル。市内電車が1回150円なので、
2回乗るともう元取り。通常300円の坊ちゃん列車にも1回
200円の追加料金で乗ることができます。
おもしろいのは、スクラッチになっていて、購入者が自分で使
う日を削るようになっています。

待つ事しばし、お目当ての坊ちゃん列車がやってきました。中
身はディーゼルとは言いながら、路面を走ってくるその姿は、
やはり愛らしく、ほほえましいものであります。

実は、到着する坊ちゃん列車を撮ろうと、駅前の歩道で構えて
いたのですが、列車到着の5分ぐらい前に、突然違法駐輪車
の撤去トラックが目の前に止まり、撤去作業を始めてしまった
のです。おかげで、ベストポジションでの撮影は断念。
皆さん、マナーを守って自転車は決められた場所にね。
あァ〜あ・・・

 

 

松山市駅に到着した坊ちゃん列車は、構内で方向転換をしま
す。ターンテーブルもなく、どうするのかと思っていたら、車両
下のジャッキで車体を持ち上げて、あとはご覧のように人手で
クルリ。で、客車はやはり人手で押して後方へ移動。これは結
構大変そうでした。

 

 

 

 

 

いよいよ坊ちゃん列車に乗車です。車内はレトロ調で木をふ
んだんに使っており、なんだかホッとする雰囲気です。
乗り合わせた人達も楽しそうに外の景色を見ています。
観光客だでけでなく、地元の人にも人気があるようで、途中
で乗り降りする人もチラホラ。
中央の親子づれは、途中の大街道で降りましたが、この子は
機関車が相当気に入ったようで、りっぱな鉄チャン予備軍で
した。

最近坊ちゃん列車は、1号機関車と14号機関車の2編成に
なりました。1号と14号は微妙に形がちがうようです。
また2編成になったことで、途中でのすれ違いシーンも見られ
るようになりました。時間帯、交通事情ですれ違い場所は一
定ではないようです。

 

やがて列車は道後温泉に到着。道後温泉の駅は明治時代
を思わせる洒落た感じです。坊ちゃん列車はここでしばらく
休息です。
ここでも坊ちゃん列車は人気者。観光客が次々と坊ちゃん
列車をバックに記念撮影をしています。

我々は、その間を利用して、走行シーン撮影に先回りする
ことにしました。

 

しかし、あいも変わらず撮影場所が決まっていません。
「道後温泉発車のカーブもいいねー」「昔、確か松山城バック
に撮った記憶があるけど・・・」「市役所の建物も雰囲気良い
んじゃ・・・」
実はこれ、市内電車に飛び乗った後の会話なんです。そう、
いつもながらの、いい加減思鉄メンバー。なにも決めずに、
とりあえず市内電車に乗ってしまったのです。
車内会議の末、市役所前を目指すことになりました。
ここは、松山城をバックに撮影できるポイントです。

しばらく待っていると、14号機関車に引かれた道後温泉行
きの列車がやってきました。この列車がカーブの向こうに消
えて間もなく、1号機関車を先頭に、坊ちゃん列車が姿をあ
らわしました。おそらく大街道あたりですれ違ってきたの
でしょう。

このカーブの向こう、市役所バックもなかなかの絵に
なりますよ。

さて次は古町に向かうことにしました。古町には伊予鉄の
車庫があります。
古町へ向かう市内電車は途中から専用軌道になります。
この専用軌道、単線のうえ結構スピードを出すので、
スリル満点です。

古町は郊外電車と市内電車が再び交叉します。ここでは、
市内電車が軌道線を斜めに横断して行きます。
軌道線が15分ヘッド、市内電車が10分ヘッドで上下線が
来るので、駅構内の信号所は大忙しのことでしょう。

郊外電車と市内電車の交叉シーンにしばらく見とれ
た後、車庫のまわりをぐるりとまわってみることにしま
した。
すると、「おっ!」「あっ!」「うぉ〜」。一昔前の高幡不
動のごとき元京王5000系群に混ざって、怪しげなも
のが次から次へと。こういうものが大好きな思鉄メン
バー、宝物を見つけた子供のようにはしゃぎまわりま
す。
すでに廃車になった100形や600形のほか、予備車
になっている300形の姿もチラリと見えました。

 

 

 

 

古町車庫で夢のようなひとときを過ごし、再び市内電車に乗って、JR松山駅へ移動です。
2日間の四国滞在も終わり、団長と私は名古屋へ、松原氏は仕事の都合で帰京します。
松山から乗ったのはDCの「しおかぜ」。アンパンマン列車でした。ご丁寧に客室内の天井にもアンパンマンの絵が・・・
しかし思鉄メンバー、そんなものに興味があろうはずがなく、ビール、おつまみ、弁当に集中します。そして、「さすが最
近のDCは加速が違う。やっぱDH17よりカミンズだわなー」なんて、一般人が聞いたら「???」の会話をしながら、
岡山へ。1時間ほど岡山でブラついた後、乗った「のぞみ」が500系。私は出張で何度か乗っていますが、団長は初め
てなのでキョロキョロ・・・ と思いきや、え〜また弁当買ったのー
やがて名古屋到着。ここで松原氏とはお別れです。走り去る「のぞみ」に向かって手を振る団長と私。その刹那、松原
氏がニヤリと笑ったような気がしました。この時、松原氏の別名、そして彼の特殊な能力に気付いておくべきでした。
                                         (カモ記)
      
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