2005年11月第1週


 お馴染みの迷惑極まりない、ちっこくって見え無いHMシリーズっても、レギュラーの

東上線じゃありません。国鉄なんて相手にならなかった、70年代の私鉄王国関西は

南海の大スター20001系特急「こうや号」。クハ1900と1250系で運転していた先代の

”旧こうや号”の後を受けて1961年に20001+20100+20801+20002 4輌固定編成が

僅か一編成のみ新造されました。この新「こうや号」冷房装置、リクライニングシートと

当時としては超豪華な車内設備を奢ったためか、特急指定席券は常に品薄状態、

なってたって1960年代といえば、庶民の家では”今日は暑いから2貫目ちょうだいね”

なんて、氷で冷やす冷蔵庫が当たり前でしたから、冷房装置の効き目は抜群でした。

一般の緑を基調とした南海車両とは違った色使い、濃いクリームとレッドのツートンに

包まれた特急「こうや号」の車体は欧州風の大ドームに覆われた南海旧難波駅では

ひときわ輝いておりました。って言ってもモノクロ写真で御免蒙ります。


                  南海電気鉄道線 難波 1970-9
 Photo by 団長