当時の気動車王国、そして急行王国に始めて登場した電車特急がこの房総特急の
内房線「さざなみ」と、外房線の”わかしお”。そして183系特急の、デビュー列車でも
ありました。特急インフレ時代の幕開けとも言えるかもしれませんね。
1972年7月15日の房総電化と、東京地下駅の誕生にあわせて登場した183系は、
貫通扉を持ち、また初めて普通車に乗降口二箇所を持っての登場でした。はじめて
といえば、当時はたとえ特急といえども普通車はまだ転換クロスの時代に、普通車に
リクライニングシートを採用した画期的な車両!! といえば聞こえは良いですが、さて
その実態は・・・これが簡易リクライニングという、とんでもないしろものでした。
その後の特急の基礎になった車輌かも知れませんが、止まらないリクライニングに、
思いでのある方も多いのでしょうね。
なにはともあれ、こうして登場した房総の特急もその後増発、「ビューさざなみ」など
にも発展をとげていきました。しかし残念なことに、房総特急の扉を開けた183系は、
この10月15日をもって運用からはずれました。ところで房総一周の鉄路は「さざなみ」 登場前、1972年以前は房総西線・房総東線と呼ばれていました。そして、今の線名 内房線・外房線は気動車電車急行の愛称だったんですね。今回久々にその事を思い、
妙に懐かしい気分になって仕舞いました。
内房線 館山 1972-8
Photo by 松原の親方
|