途中休憩を挟みながら荒川登山口に戻った時はすでに17時をまわっていました。普通ならこれで
今日はホテルに帰って寝るだけなのですが、私にはまだ麓の集落安房にある森林軌道の
車輌基地を訪ねるという、重要な目的が残っているのです。その車輌基地はガイドさんが場所を
知っているということで、道案内をお願いしました。妻は車に乗ったとたん寝てしまい、車庫でも
起きることもありませんで した。(あたりまえか〜) その車庫は安房の町外れにありましたが、
本当にこじんまりとしたもので、中にはDLが一両、他に保線用モーターカーや貨車も数両、そして
まるでおもちゃの ようなターンテーブルもありました。

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今尚現役のDL 動く姿が見たかった。

反対側には屋久島電工の文字が入っていました。

ここにも貨車というか台車というか  元々は切り出した木を運搬するものでした。

小さなターンテーブルがあり、その先は森の中へと続いていました。

これは車庫というか検車場か

車庫の全体像です。こじんまりとしたものでした。

時間が時間だけに誰もおらず、関係者に話を聞くことはできませんでしたが、営業運転こそないものの
今尚健在な森林軌道の雰囲気は味わうことができました。ここを訪ね宿に戻ったのは午後7時間近で、
さすがに疲れがどっと出たのか酒の回りもいつになく 早い夜でした。翌日もまたまた晴天、やはり日頃の
行いが良いと違いますね。今日は起床時の体調(と言うか筋肉状態)でどこに行くか決める予定でしたが、
疲れもさほどなくまた筋肉痛もないと いうことで、再び山に向かう事にしました。目的地は白谷雲水峡で、
こちらも屋久島を代表するスポットとなっています。白谷雲水峡は宮之浦川の支流、白谷川の上流に
ある面積423.73ヘクタールの自然休養林で、宮之浦から約12キロメートル、標高620メートルのところに
入口があります。渓谷は流れが速く水は見事なまでに澄んでいて、花崗岩の隙間を勢いよく流れ落ちる
様子は一見の価値があり、特に飛流おとし等至るところ で見られる滝は印象的でした。一番の目的地は
山の中腹にある「もののけ姫の森」と呼ばれる森ですが、この辺りはその名のとおり宮崎駿監督の映画
「もののけ 姫」の森のイメージになったところです。巨木の中の一面苔むした森。

翌日訪ねた白谷雲水峡 もののけひめの森です。本州と違って下草や笹がほとんどありません。

白谷雲水峡飛流おとしの流れ

静かな森に佇んでいると、命が洗が洗われるような感じがしてくるのです。私たちは白谷雲水峡入り口を
10時過ぎに出発!!行きは尾根沿いの山道を通り「もののけ姫の森」を更に先の辻峠を通り、標高
1050メートルの太鼓岩まで登りました。ここからは島 の中央部が見渡せ、また遠くには九州最高峰の
宮之浦岳も見え、抜群の景観でした。白谷雲水峡は約6時間ほどの行程で、ここにも弥生杉などの
屋久杉の巨木があり、屋久島を訪れた際にはぜひ訪ねてもらいたいところです。ここから宿に戻りあとは
温泉とお酒!! 余談ですがここの「三岳」という焼酎はとても美味しかったです。でも他では中々手に入らず、
島でも人気で一人一本限りの限定販売との事。私はレストランで 飲み部屋用に買い、更にお土産で
一本ずつ数箇所で買いましたが、東京に帰ってあっというまに終わりました(タハハハ)5月11日いよいよ
屋久島の最終日です。この日は千尋の滝や他島のあちこちを観光し、かみさんがお土産を探している
時間を利用して、私は最後に屋久杉自然 館を訪ねました。4日間いた屋久島を改めて勉強する為・・・
などと言うわけは無く、一人で行くとなると当然アレです。そう、ここには森林軌道の車輌が保存 されて
いるのです。

こちらが保存されている機関車 やはり酒井製

こちらは切り出した木を乗せるトロッコです。

屋根のついた展示スペースの車輌たちは保存状態も良く、杉を積載した貨車を連結した車輌たちは
今にも走り出しそうでした。また本当の最後にもう一度車庫に行ってみました。おそらくもう二度と会う
ことはないと思うと、やはりこれが走る姿を見てみたかった 思いがわいてきます。できればまた
屋久島を訪ねてみたい。しかしそれは何年あとになるか、・・・。4日間の屋久島訪問もこれでいよいよ
離島の時が来ました。今までとはちょっと違う旅でしたが、これからはこんな旅が中心になっていくの
かなとも思われま す。唯一つ残念だったのは鉄道に乗車する機会が全くなかったことでしょうか。
貧乏ヒマ無し状態の私にとって、九州の南まで列車で行くことは、当分できそう もありません。あの
急行「高千穂」で28時間かけて鹿児島まで乗り通した日が改めて、幸福なことだった(しんどかった
当時は想いもしませんでしたが)なぁ と思われる今日この頃です。

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