更に歩を進めること2時間あまり、大株歩道入り口でようやく軌道敷と別れを告げて本格的山道に
入り ます。そしてここからいよいよ世界遺産地帯へ、名のある屋久杉の巨木達もこのあたりから
見られるようになるのです。山道に入り30分あまりまず最初に見えるのが翁杉で、樹齢2000年と
いわれていま す。杉本体にさまざまな植物が着生している様子は、それだけで一つの世界がある
ようにさえ見えます。更に程なく見えてくるのがウィルソン株と呼ばれる切り 株!! 樹齢3000年、
根廻り32m、胸高直径4.39m古株の中は空洞になっていて、小川が流れて広さは10畳ほどの
大きさです。1586年(天正5年)牧村 の五郎七が足場を組、豊臣秀吉の命令により京都の方向寺
建立の為に切ったとされています。米国のウイルソン博士によって世界に知らされたのでこの名が
ついています。これもまた見ごたえがある小宇宙といった感じでした。ここでしばしの休息の後、
更に急になった山道を行くと、次に見えてくるのが夫婦杉と呼ばれているもので、樹齢2000年、
どちらか一方から出た脇枝が相手の幹に喰い込まれて、手をつないだ姿をしているのでこの名前が
ついています。

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これがウィルソン株ですが。比較するものがあると大きさがわかるのですが

今日は快晴。山も綺麗に見えます。右側のピークが九州最高峰の山、宮之浦岳です。

夫婦杉 枝がくっついてしまい二本の杉が手をつないでいるように見えます。

大王杉 たくさんの種類の植物が着生していて、木の上に別世界があるようです。

続いて現れるのが大王杉。根廻り43m、樹高24.7m、幹回り約11m 樹齢3000年、胸高直径3.53m、
縄文杉が見つかるまで、屋久島でもっとも巨樹として君臨していました。ここまで来ると目指す
縄文杉まではあと一息です。大王杉の先で昼食を済ませ、いよいよ縄文杉との対面です。20分ほど
行くと、山道が整備された階段になり、これを登ると目の前に縄文杉の神々しいまでに存在感の
ある姿が現れました。その時の感動は恐らく忘れることはないでしょう。

縄文杉 その存在感には圧倒されました。それにしてももっと広角のレンズが欲しかった。

これまでの数々の屋久杉の巨木たちも十分感動的でしたが、まさに他を圧倒する存在感で静かに
佇んでいたのです。私たちはしばし動くことなく見つめていました。1966年5月、上屋久町小杉谷の
標高1300メートル地点で、樹高30m、根廻り43m、幹回り16mあまりの縄文杉が発見されました。
発見された当時は、発見者(岩川さん)の名前をとって大岩杉と呼ばれていましたが、取材した
新聞記者が縄文土器の火焔土器に似ているということからこの名前を付けたと 言われています。
推定樹齢は7200年、世界最古の植物ともいわれていますが、あくまで推定樹齢ですので、確かな
ことはわかりません。小一時間ほどもいたでしょうか。静かに見つめ、また写真を撮り、ここまで
一緒に登ってきた人たちとワイン(こんな時でもお酒は持っていました)で乾杯!! 後ろ髪を惹かれる
思いで縄文杉を後にしたのです。帰りは来た道をそのまま戻りますが、山道から軌道敷と続く
道のりはとにかく長く感じられました。

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